こんなにも何かを恐ろしいと感じたのは初めてだ。
ただショックで体が重い。
突然すぎるよ……
うまくいくと……
奈々は元気のままで…
だから今は…
手術だけなんだ。
お願いだから奈々を救えよ……
すると
「………っき!…うき!悠紀!」
…………はっ
目を開けると奈々がいた。
気がついたらもう朝か…
「昨日はごめんね?寝ちゃってたんだね私。」
「………奈々?」
「私は元気だよ?大丈夫。悠紀は平気なの?お父さんとか…」
「ああ…昨日連絡した。」
「そう?」
奈々は辛い顔をしてない。
なあ…奈々は
今どんな気持ちなの?
「そうだ。売店行こうよ?昨日奢れなかったからお菓子…」
奈々は普通にしてる。
なんで?
「無理してないよな?奈々。」
「なんで?」
奈々は俺を見つめる。
「奈々分かってたのか?自分の体の状態…」
「そんなの分かるよ。自分の事だもん。」
………じゃあ奈々はずっと辛い…
「でも悠紀との約束あったから辛かったなぁ…」
「…………え…」
「病気は昔からいつ悪くなるかわからない言われてたからさ。」
奈々……
「手術……」
「難しいからね…」
「大丈夫だよ。奈々なら。」
すると奈々は笑う。
「いつも悠紀がそう言ってくれるから私頑張れる気する。」
「奈々…」
「大丈夫。奈々は強い。」
奈々は俺の手を握り言う。
奈々は本当に強い…
今までいっぱい辛い事があったよな?
なのにいつも笑ってられて……
「俺だめなやつだな。」
「悠紀はだめなやつじゃないよ。悠紀がいないと私…」
奈々は左手首のリスカ跡を見る。
奈々…?


