奈々は分かってたのかな?


自分の体の状態を……


なあ奈々……


俺は



〈ガラッ〉


奈々の眠っている部屋に俺は入る。


奈々はよく眠っている。



よかった……


でも


奈々の体を病気はむしばむ……



お願いだから……


俺は奈々に近付き奈々の髪に触れる。



すると




「悠紀君、御両親に連絡は?」



「あ、すみません…」



俺は廊下に出て親父に連絡する。



「もしもし…?」




『悠紀か。どうした?祭は…』


「実は…」




俺は親父に事情を話す。



親父は黙って聞いてくれた。



でも…



何を思っただろうか。




『……悠紀も辛いだろうけど…今は奈々ちゃんの側にいなさい。』



「親父…」



『俺は母さんとうまくいかなかった。でも…悠紀なら大丈夫だ。奈々ちゃんを大切にできるしな。』


「え……」


『俺もお前みたいに由美を大切にするから。悠紀…頑張れよ?』



親父はうざくなかった…



本当は優しくていいやつ……


だけど母さんとの離婚とかあったから……


俺は心を開けなかっただけだ。


最近やっとまた家族らしくなれた気がする…


「ありがとう…」


『明日、由美とお見舞い行くな?』


「ああ…」


俺は電話を切った。


親父……ありがとうな。


俺……なんか大丈夫な気がした。


不安だけど奈々のそばにいるんだ……


奈々を病気から守りたいんだ…


電話を切ると俺は部屋に戻る。




奈々の手を握りそのまま眠ってしまった。




奈々に突然襲いかかってきた病魔。



でも負けないよ。



俺も奈々も……



絶対絶対治るんだ。


俺には奈々の痛みがわからない。


でも……


支える事はできるから。


側にはいられるから…


何もできないわけじゃないよな。