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奈々が運ばれると俺は病院の待合室で待たされた。


待合室のベンチには奈々のお面やら奈々が買ったもの。



俺はお面を見つめる。



すると





「悠紀君!」



奈々の叔母さんと奈々の叔父さんらしき人が来た。


俺はお辞儀する。



「連絡ありがとう…奈々は!?」



「ここで待ってろとしか言われてなくて…」



「そう……」


奈々は…大丈夫かな……


不安と恐怖が襲う。






「やっぱり悪くなったのね……」



「やっぱり…?」


俺は奈々の叔母さんを見る。


「あの子…発作がこないだあったでしょう?あの日だけじゃないの…」


「そんな…」



奈々は元気だよな?


こないだ負けないって……



結婚の約束も………



みんなみんな本当にあったのに……



奈々………





すると



〈ガラッ〉



「先生!」


先生が来た。



「あの…奈々は?」




「今は眠ってます。落ち着きましたよ。」


「よかった〜」


俺も安心する。


だけど



「でも……残念ながら…悪くなってます。手術しないと危険な状態です。」



………え……



「そんな…」


俺はその場に崩れ落ちる。



なんで……奈々…


奈々苦しめるなら俺にしてよ……


お願いだから……



命が危険?


何言ってんだよ……


医者なら……



「悠紀君!」


叔母さんが俺を支える。



奈々…奈々…



「とにかく今日は遅いから悠紀君も…明日来なさい?」


奈々の叔父さんが言う。


「ここにいたいです…」


「悠紀く…」


「お願いします。」


二人はあきらめた。


奈々…お願いだから死ぬとか言うなよ?


奈々は離さない…絶対…