「悠紀〜後で花火大会あるから。それまで別行動な?」


雅也が言う。


「ああ…」


「じゃ!」




雅也は礼と離れた。




「全く…四人の意味ねぇじゃん。」


俺はあきれる。


すると


「でも悠紀と二人のが落ち着く。」



奈々は俺の手を握って言う。


「奈々…?」


「あ、お面ある!悠紀買って〜」




「お前子供かよ。」


「あのねずみさんの〜」


「はいはい。」


子供だな…奈々さん。


マジで高2?



「悠紀も買えば?」


「やだよ〜」


「え〜?」



奈々…今日俺は…



お前と過ごせて……




「悠紀のおごり♪」


「がーき!」


俺は笑う。



買ってあげると奈々は嬉しそうにお面を見つめる。




こういう所が可愛いんだよな。奈々って…


「悠紀!次はかき氷〜」


「はいはい。」



「焼きそばといか焼き〜あと…」


「食べすぎだっつうの!」


俺は色々食べたがる奈々に言う。


「食べたいんだもん!」


「全く…わかったわかった。」



俺はあきれながらも奈々に付き合う。




でも


「悠紀…私は悠紀に冷やしパイン買ってあげるね?」


「は〜?腹痛くなるから。」


「私もおごりたい〜」


「はいはい。」



奈々は買いに行こうとする。



だけど



「…………っ…」



奈々は急に苦しそうにしゃがみ込む。



「奈々っ!?」


俺は慌てて奈々の近くに寄る。


発作…………?



奈々は苦しそうにしてる……



なんで…


また……?



「奈々?奈々?」



なんで…


なんで奈々なんだよ!








俺は救急車を呼んだ。


奈々……


ただ祈りながら救急車の中、苦しむ奈々の隣に俺はいた。