「…悠紀君にちゃんとメールするのよ?今日は色々奈々に付き合ってくれたんだから。」


奈々は叔母さんが言うのを聞きながらも悠紀が帰る後ろ姿をただ見つめる。


「奈々…?」


叔母さんは奈々を見る。



「ごめんっ…送って来る!」



「……ちょ、奈々〜?」



奈々はただ悠紀のところに向かう。




走れないからなかなか追い付かない。







帰ったら由美さんと親父がいるから色々話そう。


悠紀は奈々に気付かず歩く。



すると



「悠紀!」



………えっ?



悠紀が振り向くと奈々がいた。



「奈々?」



俺は走って奈々の所に向かう。





「どうした?」



奈々の近くに行くと俺は聞く。




すると


「送らせて?」


奈々は俺の服の裾をつかんで言った。



「……いいよ?でも大丈夫か?帰りは一人…」


「大丈夫。」


「叔母さんは?」



「だめ?送るの…」


「いや、大丈夫ならいいんだけどさ。」


奈々…どうしたんだろ…



「ありがとう。」



なぁ奈々…



今日の奈々は…



なんかおかしいよ。


俺に気を使ってるだけじゃなくて……



他に何かあるんじゃないよな?



奈々……?



心配性だからじゃない…


なんとなく……


何かありそうな気がして……


「あのさ、奈々…なんかあった?」



俺は奈々を見つめる。



すると


「何もないよぉ〜」



奈々は普通に言う。


でも



「あのさ…奈…」



「そういえば悠紀お祭り私服だよね?」



「あ、ああ…」


「浴衣。悠紀のも見たいな〜」


「ないからな…」


「かっこよくない?浴衣って…」



なんで……


奈々は何も言ってくれないの?

安心したいのに…