奈々は俺の気持ちをちゃんと分かってたんだな…
なのに俺……
「行こう?」
奈々とは口ゲンカをあまりした事がない。
それは奈々が俺をちゃんと分かってて気を使うから……
そんな事させたくないのに……
奈々はいつもにこにこ。
でも無理してたらどうしようとか…
一人で泣いてたらどうしようとか
不安になる。
「なぁ、奈々。泣きたい時は泣けよ?辛かったら言えよ?」
すると
「悠紀もね?かっこつけたりしなくていいから。」
「うん。」
俺らにはお互い傷がある……
とくに奈々は深いのかな?
でも
いつかはお互い大人になったら消えるよな。
「悠紀〜あった!プリ撮ろう♪」
「うん。」
お互いこのままでいいから…
どうか変わらないでいて………
「「ただいま〜」」
俺らが帰ったのは遅かった。
すると
「おかえり。遅いわよ?奈々、ちゃんと体にも気を使うのよ?」
「私は大丈夫だもん。」
「奈々〜」
奈々……
「すみません。俺が気をつけます。」
「悠紀…」
「わかったわ。悠紀君。夕飯は食べてないわよね?」
「あ、はい。」
「じゃあ、二人すぐにリビングに来なさい?用意しとくから。あ、あたしは先に食べちゃったわ。」
「すみません。行こう?奈々。」
「うん……」
俺は奈々とリビングに向かった。
「どうもごちそうさまでした。」
食べ終えるとすぐに家に帰らなければならない。
「今日はありがとうね。悠紀君。」
叔母さんが優しく言う。
「いえいえ。こちらこそお世話になって…では。じゃあな。奈々…」
俺はちらっと奈々を見て言うと奈々の家を出た。


