でも
「奈々は…?」
「お父さん?まだ連絡ないよ…」
「そっか。」
「会いたくないもん…」
「奈々…」
「あの人が私を傷つけた。私…会えないよ…」
「奈々。」
「でもいいの。今が幸せだから…いつか変わるかもだし。」
「ああ……」
いつか………かぁ。
すると
「はい、さっき焼いたクッキー食べてね。」
叔母さんがジュースとクッキーを持ってきた。
「ありがとうございます!うまそう…」
母さんがいたらこんななのかな。
俺は忘れたよ…昔を。
由美さんはいい母親になりそうだよな。
奈々の叔母さんみたいな…
すると
「叔母さん。今度…お祭り行くんだ〜ね、行っていいよね?」
奈々が叔母さんに聞く。
「いいじゃない。いってらっしゃい。」
「ありがとう〜」
だけど
「………っ……」
すると奈々は急に苦しそうにトイレに向かう。
「……奈々っ!?」
俺と叔母さんは心配そうに顔を見合わせる。
すると
〈ガチャ〉
「ごめん…なんか体調今日よくないのかな?」
もしかして心臓…
まさかな…元気だよな?
「お祭り終わったら病院行くね?明日元気だったらいいけど…」
「奈々…」
急に不安が襲う。
まさかな……
奈々は元気だし。
文化祭も誕生日もクリスマスも行事みんな一緒に過ごしたいから…
胸さわぎは気のせいだよ……
だけど奈々が心配だった。
なんで神様は……
奈々をこんな病気にしたんですか?
俺は奈々に何かしてあげたい……
「大丈夫だよ?悠紀。」
奈々は俺の手を握って言う。
俺が動揺してどうすんだよ…
奈々は冷静なのに…
複雑な気持ちでいた。


