「大丈夫だろ?柚とも礼は仲良いし。こいつ面倒見いいから大丈夫♪」
雅也が笑って言う。
「あ、じゃあ…奈々に聞いてみるな?浴衣なかったら奈々にあげて…」
「うん!」
礼とは気まずくないし…
今はいいな……
秋には文化祭があって…
冬には親父らの間に子供ができる。
今年はいい年だといいよな。
夏休みは親父の再婚式がある。
奈々と俺で行くんだ。
奈々はブーケが欲しいと騒いでた。
心臓も今は大丈夫のままでよかった。
だけど……
不安が消えるのは絶対ない。
「雅也〜あたし旅行も行きたいな〜」
「おう!まかせろ〜」
雅也と礼は仲良いな…
旅行……かぁ。
俺も奈々と行きたいかも…
あ、でも金が……
バイトしようかな……
バイトは昔、少しやってた。
だから友達とかに聞けばいいところを紹介してもらえる。
夏休みは高校最後。
楽しくいきたいな……
すると
「悠紀〜」
「………あ〜」
俺は振り向き教室ドアの方向を見た。
そこには奈々が立っていた。
「どうした?」
「電子辞書。返しに来た。」
「あ、サンキュ。」
辞書かよ…と思いながらも俺は受け取り奈々が来た事を喜ぶ。
「あ、奈々ちゃん。こんにちは。」
礼が笑って奈々に言う。
雅也の事を話したからか奈々は動揺などもなく笑う。
「礼さん…ですよね?こんにちは。」
「タメでいいよ〜?あのね、さっき夏祭りの事雅也と悠紀に話したんだけど…」
礼は奈々にさっき話してた事を伝える。
「えっ?浴衣…いいんですか?」
「あたしんちにおいで?着付けとか色々やるし…」
「ありがとうございます!」
奈々は嬉しそうに言う。
礼とは仲良くやれてるし、祭りに奈々と行けるのが俺は嬉しかった。
「よかったな〜悠紀君♪浴衣♪」
雅也がにやっと笑って言った。


