礼と雅也よかった…
奈々をまた不安にさせたくなかったから……
安心した。
でも
俺は知らなかったんだ。
余裕だなんてない事を……
うまくいきやすいはずがなかったんだ………
〈ガチャッ〉
しばらくすると奈々が出てきた。
「あ〜疲れたよね?悠紀もう寝る?」
「そうしようかな…奈々は?」
すると
「もしかして待っててくれたの?」
奈々は俺を見つめる。
「先に寝るの…なんか嫌だし?」
「……ありがとう。」
……奈々は嬉しそうだ。
「さてと…寝るか!」
「うん。ってま、待って?」
「ん?」
「悠紀と私…同じ部屋?」
「おう。嫌?」
「ううん…」
奈々……?
「嫌か?」
「ち、違う…ただ、ドキドキしちゃうよ。まださ。」
「でも一番爆睡してるのはお前!」
俺は笑う。
すると
「悠紀、今日はありがとう。」
「ん?何が?」
「えへへ。」
奈々は自分の部屋に向かう。
ありがとう…
奈々が言うとなぜか不安になる。
俺…考えすぎ。
だけど
俺はいつ奈々にあいつが潜んでるかなんかわからないから不安だ…
次の日はご飯を食べて二人で映画を見て帰った。
雅也とも電話で話したり。
そしてその次の日からは学校。
休み時間は奈々の所にたまに行く。
そんな楽しい毎日だった。
だけどある雨の日の事だった……
奈々…迎えに行くか。
雨なのに傘がない。
だから俺は奈々とコンビニで傘を買って帰るつもりだった。
だけど
「ごめん!今日だめ…」
「えっ?」
奈々が珍しくだめだった。


