「さぼり〜」


教室に行くと雅也が言う。


「なんだよ〜」


「どうせ奈々ちゃんだろ?」


「別にいいだろ。」


「やらしいわね〜二人で何してたの?ね、ね?」



全く雅也は…本当……



「あのさ、雅也。」



「ん?」



「ちゃんと礼つかまえとけよ?」



「どういう意味?」



「恋は辛いけどさ…ちゃんとうまくいかないと後悔するからな。」



「あの…悠紀くーん?」




みんなみんなうまくいくといいな……



でも難しいのかな?



礼の気持ちは今どんなんだろう……



雅也は俺を見る礼をどんな目で見つめてるのかな…



「最近どうよ?雅也は。」


「今度、誘う…デートに。」


「俺が言うのもあれだけど頑張ってな?」



「ああ…」


みんなみんな必死なんだ。



好きな人に見てもらえない気持ちはすごく辛い。



奈々も里沙も礼も雅也もみんなみんなそれを乗り越える……



奈々は俺を待ってくれた。


俺は奈々のとこから離れるしかなかった。



そんな事があったから今はすごく大切で……



いろいろあるのだろう。



付き合えてもそこで終わりではないから…



俺らはもがく事もあるだろう。


でも


いつかはそれもなくなるよな?



今の願いは奈々が元気でずっと一緒にいられる事。



もしそれが難しい願いでも…


俺は信じたいんだ。



願う事しかできない。



今日みたいに奈々を不安にさせる事もあるかもしれない。



でも


俺らなら大丈夫だと言いたい。



そしたら少しは安心できる。




奈々の叔母さんはどんな気持ちで俺に奈々をよろしくと言ったのかな…




そんな事を考えたり。



親父が頑張ってるんだし、俺も負けたくないな。


来年もさ来年もずっと一緒にいられるように。