「……なぁなぁ!二組の佐藤未来ってかわいくね?」
「あ〜モデルやってるらしいじゃん♪」
友達はこんな話題ばっか。
モデルだかなんだか知らないけど…
かわいいのかな?
俺は知らないけど。
俺は桜沢悠紀。
高校二年生。
外見はいけてる方らしい。
だけど女はいない。
面倒だから。
前に付き合ってたやつはいる。
でも…みんな遊び。
「なあ〜今日、クラブ行かない?」
「いいな〜女いるかな?」
友達もみんなチャラ男ばっかり。
「……悠紀は行く?」
「ああ、暇だし。」
「だよな〜彼女欲しいしね♪」
「俺は女いらん。」
「は〜?このモテ男♪人気じゃんいつも。」
「遊びならいいけどな。」
「やな男〜」
こんなのが俺の毎日。
友達といろんなとこに遊びに行って、いろんな女と遊ぶ。
悪女ならぬ悪男って感じ。
だから…本気の恋は絶対ありえないと思ってた。
そして……誰かを愛する…誰かに愛される事も知らなかった…
変われるかも………
「……奈々〜早く〜」
「待って…柚〜」
……親友…神川柚を追いかけるのは林奈々。
高校一年生。
見た目は小さくてかわいらしい女の子。
だけど…男の子が苦手な女の子。
奈々は走る。
だけど……
「あ!奈々〜あんま無理しちゃだめだよ!?」
柚は慌てて奈々の所に行く。
「だって…柚早いんだもん…私、追いつかないもん。」
「…ごめん。奈々は走っちゃだめなんだよね…」
奈々は他の人と違う。
心臓が生まれた時から悪い。
「大丈夫だよ?私、最近…元気だぁ♪」
「でも…無理はだめだからね?」
「わかってるよ〜」
心臓が弱い。
だから、やる事も制限される。
でも不幸なわけではなかったんだ…奈々も。