「ミルク?」 聖夜は驚いて、美留久を見つめた。 「王女さまから、王子さまへの誓いのキスだよ。 あたしは、いつまでもセイだけが好き」 子供の聖夜には、キスにキスを返すなんて洒落た真似はできなくて、思わず呟いた。 「僕も誓うよ。いつまでもミルクだけが好き。死ぬまでだよ」 「死が二人を分かつまで……」 美留久が繰り返した言葉の響きに酔いしれて、聖夜は美留久をしっかりと抱きしめた。 その柔らかな温もりの感覚は、今も聖夜の手に残る。