目の前の愛しい少女。
頑張り屋の美留久。
抱きしめれば壊れそうなその華奢な身体からは、想像もつかない程の輝きを放っている。
同時に聖夜は、道場で初めて見た、凛々しく汗を流す少女の横顔を思い出していた。
(ミルクは何でも頑張り過ぎる。集中すると周りが見えなくなるんだ)
聖夜の考えは正しかった。
確かに美留久には、そういう我武者羅なところがあった。
見かけに寄らず男勝りで、負けん気が強くて、思い込んだら真っ直ぐに突き進む。
(ま、そこがミルクのいいとこなんだけど)
聖夜にとって、美留久はどんどんと特別な女の子になっていく。
大好きな気持ちが無限大に広がって、どこまで大きくなるのか自分でもわからなかった。



