チュッ…… 聖夜の不器用なキスが美留久のおでこに落とされた。 「セイ……」 「お姫様は、王子様の言いつけを守るものだよ」 聖夜は大真面目で言ったつもりだったのだが…… 「何それ?」 美留久が柔らかく笑った。 聖夜の大好きな美留久の笑顔だ。 そんな美留久の顔が眩しくて、まともに目を合わせられない。 「ちょっと待ってて、消毒薬と絆創膏貰ってくる」 聖夜は急いで立ち上がった。 恥ずかしくて、その先、どうして良いかわからなかったのだ。