数週間後、薬の力を借りて落ち着きを取り戻した美留久に、私は君たち二人が遠いカナダの地へ旅立ったことを告げました。 何時も側にいた聖夜くんの姿が見えないことを、美留久も不安に感じていると思ったからです。 でも予想に反して、美留久は本当に安心した様子で笑ったのです。 「よかった…… こんな姿をセイに見られなくてよかった」 と。 一見して落ち着いたように見えた美留久でしたが、その言葉の裏には大きな絶望が隠されていたことに、わたし達は気付くのが遅れてしまった。