「それは違う!

あの事故の原因は信号無視なんかじゃない。

君の父親の車はブレーキが効かなかった為にあの事故を引き起こしてしまった。

あの事故は君のせいなんかじゃない。

点検を請け負った整備会社の整備不良が原因だ。

法廷でも業務上過失致死罪が立証されているんだ」


「僕のせいじゃない?

でも……、僕は確かに父さんを急かして困らせた……

だから父さんは……」


明らかに聖夜は混乱していた。

今になって知る真実に、理解が追いついていかなかった。


たとえ理解をしたとしても、それを直ぐに納得することは難しかったのだ。