きみといつまでもいたい




「君、警察と救急車を呼んで貰えるかな」



大きく一つ深呼吸をしたあと、龍は水谷に向かって落ち着いた声でそう言った。


「そしてできれば、ミルクに何か着せてやってもらいたい。

僕はこの手を離したら最後、こいつ等を生かしておく自信がない。

頼む」


水谷は直ぐに自分の着ていた上着を脱ぐと、半裸で横たわる美留久の上にそっと掛けた。

そして、震える手で携帯の番号を、確認しながら一つ一つ押した。



「し、至急、き、きゅ、救急車を一台。こ、ここは……」



ここは、絶望と言う名の行き止まり……、です。


水谷は天を仰いで救いを求めた。