「ごめん…つい。」


ゆっくり離された。


「でも、きっとやっかみとかも有るんだよ。

辻ちゃんが誰より幸せになるんだから。
あんな事してごめん。」


無理して笑顔を作ってそう言った後、
私の目も見ないで会議室を出て行った。


大野君に抱きしめられた感触が、体に残る。