少し高めの男子らしき声に、最初私は全く反応を示さなかった。 「あれ?ちょっと待ってよ!」 まさか自分が呼ばれているとは思わなかったので、私は歩き続けながらその声を右から左に受け流していた。 「ねぇ!生徒会執行部さん!」 「!」 そう言った声にようやく反応し、私は足を止めた。 通常、生徒会執行部と呼ばれる生徒は学園内に数名しかいない。 ここ、芹沢学園の生徒会執行部。 つまり、私。 「………」 私はゆっくりと振り返った。