真実を確かめるために、私はこの男子生徒を学園長の元へ連れてきたのだった。 もし違ったら学園から即追放してやろうと思っていたのだが、皮肉にもそれが叶うことはなかった。 「まったく…私に何の連絡もなしにアメリカから帰ってくるとは…」 「えへへ」 父親の機嫌と反比例した笑顔を絶やすことがない息子は、罪悪感の欠片も見当たらない声で笑った。 諦めたようにため息をついた我が芹沢学園の学園長、芹沢拓蔵(セリザワ タクゾウ)様は、性格的には似ても似つかない息子に目を向ける。