「自己紹介まだだったよね!」 「………」 こいつの特技は人の話を遮ることだと確信した。 呆れてもう文句を言うことも出来ず、私は黙って大人しく差し出されたものを見た。 「………は?」 そして固まった。 「今年から芹沢学園高等部に入学することになりました!」 男子生徒は勢いよく言った。 差し出してきたもの…名刺に書かれた名前を。 「芹沢龍人です!」 …まさかの、学園長の息子さん?