胸に何かがぶつかったんじゃないかってくらい、ジンジン痛くなる
“可哀想な子”……っ!
―可哀想な子ねぇ。
―どうして?アタシは全然可哀想な子なんかじゃないっ!
昔の記憶がフツフツと浮かびあがる
痛い…胸が痛い…
「…ひかる?」
―はっ、
「あ、あぁ…ごめん。」
「あ、俺…変なこと言ったよな。悪いっ…」
「……う、ううん。」
ゆきの言ってることは正しい
『親に育児放棄された子』
端から見たら、美夢ちゃんはそう思われても仕方ない
それで“可哀想な子”って逆に同情されることだってあり得る
「…同情なんて、されたくないのにね。」
「…だよな。」
アタシが呟いた言葉にゆきは驚くような顔をしてから何かを呟いた
何を言ったかは分からなかったけど。
「………でも、愛弓たちは
きっとそうは思わないよ。」
「……」
しかしゆきはどこか納得しない顔
「アタシが…アタシが証人なんだから!
アタシが今、こうしていられるのがその証拠だし♪」
「…」
ゆきは無表情のまま何かを考えているようだった
な、な…なに言われんの!?!?

