「俺らには、頼れる場所がねぇんだよな。
頼ったとしても、そいつ等にどうこう
できる訳ない。
…俺が死んでも、世界は変わらず回るんだよ。
初めから存在なんかしてなかったみてーに」

同じ…
だと思った。

「…ねぇ、陸は、いつからこの暗闇に住んでるの?」

「昔から。小5にはもう抜け出せなくなってた。」

「そう…」


あたしたち2人は、
はじめてこんな話を他人にした。

同じ事を思って、同じ場所にいた。

「だから初めてお前を見たときから…
早紀はそうゆう子だって解った。」

「……あたしも、陸の目は、あたしのとよく似てるって思ってた。」


沈黙が続く。
あたしは何とも言えない気持ちになっていた。


「……なあ、お前が今望んでること
俺にしてほしい?」

陸の一言が沈黙を破った。

あたしは黙って頷いて、

「あたしも…陸が今望んでること、
してあげる…」


そう言ってゆっくり瞳を閉じた。


陸は、
あたしを割れ物のように大事に抱きしめてくれて


あたしたちは、
初めてkissをした。