う…そ、嘘っ!
「嘘ぉっ!!」
あたしは思わず口を手で覆う。
待って、頭混乱してるし
陸があのスカルプチャーの男の人?!
何も知らないでただメールしてた
陸が、あのひと?!

「嘘ついてどーすんの。俺が陸やし、
路地裏であったのも俺っ」
「…っなんか…なにそれ」
「ま、俺は可愛い子の顔は
覚えてんだよ☆おまえが俺の顔見てなくてもな♪」

あたしはもう思考回路が爆発してた。
いきなりいろいろすぎて、
顔はきっと真っ赤だしドキドキするし
ただぽけーっと立ち尽くしてた。

「ほら、行くぞ」
陸はあたしの手を引いて
家の方へ足を進める。
「う、うん…」


これが、あたしたち2人の出会いだった。
あたしが陸とまともに話せるようになったのはこの少し後のこと。
お互いのメールボックスを見せ合い、笑いあった。


このときからきっと
あたしの恋は
始まっていたんだと思う。