あたしたち四人は近くのホテルに入った。

あたしはベッドに寝かされる。
何の抵抗もしないで
素直に抱かれているあたしを
男は物欲しそうに見つめる。

あたしは表情をぜんぜん変えない。
出来るだけ顔を見ないように
瞳をそらしてるだけ。


隣で由佳が喘いでる声すら、あたしの耳には届かない。

「そろそろ挿れるよ?」
「…」

「早紀ちゃん、気持ちいいって思ってる?」


…あたしは瞳を男に直して
小声でささやいた。

「ゴムはちゃんと…つけてよね」

瞬間、ベッドが大きく軋む。
あたしの上で男は揺れる。

…何も感じない。
気持ちよくないし、
でも止めて欲しいとも思わない。
怖さも罪悪感も何もない。


あたしは、ただのぬいぐるみ。

たくさん遊ばれた後は
片づけを忘れられる。

そんでまた、ほかの可愛い
ぬいぐるみを見つけてくると
あたしはなくても同じなんだ。


愛の欠片もない
セックスでお金を貰う…
最低なあたし。


今思えば、なんで…

ほんまになんで陸は
あたしのこと…