そうして目を覚ました少女を僕はアリスと呼んでいる。

名前を知らないからね。


「チェシャ猫?」


なに?


「あのさ…私…。」


立ち止まってはイケナイよ。

底無し沼に引きずり込まれてしまう。

アリス、歩いて。


「…うん。」