「ねこ君おいしい?」

「にゃ」

「ふふっ」


キャットフードを綺麗に平らげ、近くにあったソファーに腰を降ろした。

満足そうに食後の毛づくろいを済ませ、ゴロゴロと喉を鳴らせている。


『やぁ、君だったのか』

『これはこれはミスター。ご機嫌はいかが?』


彼が部屋の隅を見ると、シルクハットを手に持った男がぺこりと頭を下げた。

鷲をイメージさせる白い仮面の下には薄笑いを浮かべている。


『相変わらず虫酸が走る笑顔だ』

『わたくしなりの最高の笑みのつもりなんですがねぇ』

『ふん…』