今日も幸せな一日を
   
      過ごせますように


彼はそう願い、空を見上げた。
ツヤのある毛が風を受けて微かに揺れている。


(……そろそろ、ごはんかな?)


庭にあるベンチから飛び降り、軽やかにドアの前に立った。


「おはよう。ごはんだよ」


「にゃあ」


それに気付いたコレットはドアを開けて彼を部屋に招いた。


「君、いつもここに来るけど…ご主人は?」


(……僕にご主人なんていないんだけどね)


キャットフードをカラカラとお皿に入れ、新鮮な水を用意した。
彼はこの家の飼い猫ではないが、ちょくちょく遊びに来ては専用のキャットフードをごちそうになっていた。