「桜」

「あ、隼人」

「優勝できたらいいな」

「うん…」

隼人はあたしの近くに来て、あたししか聴こえないような声で言った。


「大丈夫、お前なら勝てる」


ドキッ…


そう言って去っていった


あの笑顔は反則だよ…


「桜?」

「え?あ、行こっか」

「うん」


あたし、隼人の好きなの?

わかんないや…

あっちは、遊びかもしれないし…

どっちなの?隼人――…


それからあたし達は1時になるまで屋台を見て回った


「楽しいね」

「うん!!」

「キミ達さっきコンテストに出てたよね?」

「あ、はい。そうですけど」


話しかけてきたのは、ちょっと頭のはげたおじさん


「ちょっと、話いいかな?」


そう言って、案内されたのは控え室――…