「生きてる。無事だ」 ヤナセの声は確信に満ちていて、俺は安心から床に座り落ちた。 「…良かった」 思わず零れた言葉。 俺の声は自分でもよく聞き取れない程小さかったのにヤナセは「ああ」と頷いた。 「あの子は大丈夫だ。 …雨に打たれたせいか、熱があるがな。今は眠ってる」 「そのうち目も覚ますだろ」と屈んで目線を合わせるヤナセ。 俺はすっかり脱力して壁にもたれてヤナセの話を聞いた。 安心しきっていた。 ヤナセの次の言葉を聞く前は。 「怪我も特にない」 「………え?」