「――ン。――きろ」
「……あぁ?」
俺はあれから眠っていたらしく……誰かの声に意識を呼び起こされた。
何つー夢だ。
最悪。
夢の内容というより、夢を見たこと自体が不愉快だ。
頭重い。
だるい。
…起きたくねぇ。
そんなことを考えている間にも声はかかってくる。
「シン、起きろや。
もう昼だぜ?」
「…ヤナセ?」
…つーか昼?
ヤナセの呼び声に、うっすら目を開けた。
目に明るい日光が刺さる。
目をしばたきながら、嫌々前を見ると、
「ヤナセ…近い」
ヤナセの顔が、どアップで目に入った。
「離れろ。暑苦しい。ムサい」
「お前…想像以上に失礼だな」
夢に対する不愉快さをヤナセにぶつけた。
呆れたという目と声でヤナセは立ち上がり、
「飯、食うか?」
と言った。
…ヤナセの心は意外と広いらしい。
「いや、いい」
ヤナセには悪いが断った。
あんま腹が減っていない。
だいたい最近、飯とか適当だったから。ロクに食わなくても暫くは平気な自信がある。
だが、
「や、食え。朝飯は大事だぞ」
「…もう昼なんだろ。朝飯じゃないし」
「……医者の言うことが聞けねぇのか!!」
「…うわ、偉そ」
そう言ったら「医者は偉いんだ!」とか騒いだヤナセ。
その姿を視界の片隅で見ながら明るい日差しが差し込む窓へ顔を向けた。
雨はもう、晴れたようだ。
…つーか何でこんな事になってんだっけ?
何でヤナセの家でヤナセと戯れてんだ、俺。
(昨日は確か――――)
帰り道で女の子が倒れてて……。
その女の子が…………っ?!
いきなりバッと立ち上がった俺にヤナセが驚く。
俺はさっきまで拒否していた近距離を自らつめた。
「あの子は?!」
「ちょ、シン」
「どうなった?!生きてんのか!?」
「シン、落ちつ」
「おい、まさか死んだとか」
「シン!!落ち着け!」
「…っ」
早口でまくし立てる俺の言葉をヤナセが大声で遮った。
ようやく止まった俺を見て、ヤナセは軽く溜め息をついた。
「シン、あの子は――――」
「……あぁ?」
俺はあれから眠っていたらしく……誰かの声に意識を呼び起こされた。
何つー夢だ。
最悪。
夢の内容というより、夢を見たこと自体が不愉快だ。
頭重い。
だるい。
…起きたくねぇ。
そんなことを考えている間にも声はかかってくる。
「シン、起きろや。
もう昼だぜ?」
「…ヤナセ?」
…つーか昼?
ヤナセの呼び声に、うっすら目を開けた。
目に明るい日光が刺さる。
目をしばたきながら、嫌々前を見ると、
「ヤナセ…近い」
ヤナセの顔が、どアップで目に入った。
「離れろ。暑苦しい。ムサい」
「お前…想像以上に失礼だな」
夢に対する不愉快さをヤナセにぶつけた。
呆れたという目と声でヤナセは立ち上がり、
「飯、食うか?」
と言った。
…ヤナセの心は意外と広いらしい。
「いや、いい」
ヤナセには悪いが断った。
あんま腹が減っていない。
だいたい最近、飯とか適当だったから。ロクに食わなくても暫くは平気な自信がある。
だが、
「や、食え。朝飯は大事だぞ」
「…もう昼なんだろ。朝飯じゃないし」
「……医者の言うことが聞けねぇのか!!」
「…うわ、偉そ」
そう言ったら「医者は偉いんだ!」とか騒いだヤナセ。
その姿を視界の片隅で見ながら明るい日差しが差し込む窓へ顔を向けた。
雨はもう、晴れたようだ。
…つーか何でこんな事になってんだっけ?
何でヤナセの家でヤナセと戯れてんだ、俺。
(昨日は確か――――)
帰り道で女の子が倒れてて……。
その女の子が…………っ?!
いきなりバッと立ち上がった俺にヤナセが驚く。
俺はさっきまで拒否していた近距離を自らつめた。
「あの子は?!」
「ちょ、シン」
「どうなった?!生きてんのか!?」
「シン、落ちつ」
「おい、まさか死んだとか」
「シン!!落ち着け!」
「…っ」
早口でまくし立てる俺の言葉をヤナセが大声で遮った。
ようやく止まった俺を見て、ヤナセは軽く溜め息をついた。
「シン、あの子は――――」

