地上でなければ必ず地下にヤツはいるハズだ。
きっとどこかに地下へと続く入口がある!

その信念のもとに俺は辺りを無造作に歩き回った。妃奈は暫く、俺の行動の一部始終を観察していた。

「なるほど、そういうことか」

どうやら俺の考えを汲み取ってくれたようだ。

入口へと繋がる扉は……一体どこ、どこにあるんだ!



「新太郎!これ見て!」

妃奈の声が高く大きく響き渡る。

「どうした?」

「見て!ここ!石の色がここだけ微妙に違うと思わない?」

丁寧に長方形の石を幾重にも積まれてできた石壁。
まだ完成してまもないのに一つだけ色が違うのは明らかにおかしい。

「行くぞ……」

俺はゆっくりと石の側面に右手を当て、そのまま押してみた。


──


何も起こらないのか、と諦めかけた時だった。




ゴゴゴゴッッ




!?



地面がゆっくり動き、そこに現れたのは地下へと続く階段だった。