「あんた、新人か」 上から降ってきた女を横目にそうつぶけば、あたりはわぁ!っと一気に騒がしくなった。 女はパンパンと服の埃を払いながら頷いて、笑った。 「初めまして。今日からこの筆箱でお世話になることになった、消しゴムです」 消しゴム。 それは、文字どうり自分の身を削りながら、主の間違えた文字を消す役割の存在。 そして、 必ず、 いつかは消える存在だ。