何を言ってるのっ…?

私が久世玲人を求めてなかった…?だから、終わりにした…?


ちょっと待って―――

どういうことなの…?


「私が求めてなかったってっ…何っ…」

「それは俺が言わなくても自分で分かるだろ」

「分かんないよっ…!」

久世玲人が何を言ってるのか分からない。私の知らないところで、勝手に進んでいる。

心が、すれ違っている。


「全然分かんないっ…、久世君の言ってることがっ…分かんないっ…」

涙ながらに搾り出す私に、久世玲人は呆れたように小さく笑う。


「分からないなら分からないで、もういい」

「よくないよっ…!何も分からないままっ…終わりなんてっ…。ちゃんと言ってよっ…」

真っ直ぐその目を見つめながら訴えると、久世玲人もまた、そらすことなく返してくる。



「私って何だったのっ…?付き合ってるっていっても、とりあえずの関係だったしっ…。彼女だって言われてもっ、久世君がっ、どういうつもりで言ってるのか分からなかったっ…」

「……………」

「久世君の言葉もっ、行動もっ、…意味があるのかないのか、ずっと分かんなかったっ…」


私が一方的に言葉を綴るたび、久世玲人はイラついているかのように表情を歪ませる。


「今までもっ、……今もっ、久世君が何を考えてるのか、分かんないよっ…」


溢れる想いと比例して、涙がボロボロと頬を伝う。

もしかしたら、すごく面倒な女って思われているかもしれない。


それでも、このどうしようもない感情をぶつけずにはいられなかった。