「……試す?」

何を……?

その言葉の意味が理解できないでいると、隣に立っていた佐山君が少し距離を詰めてきた。

肩がピタリと触れる。


「さ、佐山君っ…!?」

「まぁまぁ」

「まぁまぁって!な、何っ…!?」

動揺してしまって、思わずまた一歩分距離をとった。

急にどうしたのっ!?

この前の、不意打ちのキスのこともある。

ビクビクしながら佐山君を見ていると、佐山君は私に向いてニコニコと笑った。


「まぁ、そう警戒しないで」

「だ、だから、何なのっ…?」

「まぁ見てなって」


意味不明なその言動に困惑していると、佐山君はまた一歩私に近付いた。変わらず、ニコニコと微笑んだまま。

そして、小声で囁く。

「原田さん、今から頭を撫でるから。ビックリしないでね」

「……は?」

「そろそろかなー」

ポカンと瞬いていると、佐山君はにこーと微笑んだまま私の頭に手をやった。




―――なでなで。



!?


「………な、何するの!?」