「いざこうしてあらたまってみると、結構緊張するね」

そう言って、佐山君は机にジュースを置きながら私に向いた。


佐山君の言うとおり、私も緊張している。

何から話していいものなのか…。あまりにも突然だったため、何も整理されてなかった。

もちろん心構えもできていないので、若干パニックになっている。


「あ、あのねっ…」

「うん」

「あ、あのっ、…私っ、久世君が好きなのっ…」



…………。

…………。



「……突然だね」

少し目を丸くしながら、佐山君はクスッと吹き出した。


ああっ…!!私ってばいきなり何言ってんの!?

まるで順序がなっていない。

これじゃ、まるで久世玲人が好きだと打ち明けただけのようだ。

いきなりの失態に頭を抱えていると、佐山君はおかしそうに私を励ましてくれる。


「落ち着いて、原田さん。ゆっくりでいいから。ほら、ジュースでも飲む?いっぱいあるし。コップないけど」

「あ、ありがと…だ、大丈夫…」

「うん、頑張って」

な、なんだこの状況…。告白を断る相手に励まされるとは…。


自分の情けなさにヘコみつつ、フーッと深呼吸しながら今度こそはと佐山君に向き直った。