関係ないって…そんな…。

思いもしなかった久世玲人の言動に、ズキリと心が痛み、じくじくと広がっていく。


何で、そんなこと言うの…?

突き放すような言葉に、じわり、と涙が浮かぶ。


「……関係、大アリだよ…」

震える声で小さく呟くと、久世玲人が「菜都?」と様子がおかしい私に気付いた。


「何でそういうこと言うの!?私のせいで停学なら、関係大アリだもんっ!」

涙目でキッと睨みながら大声をあげると、久世玲人はポカンと呆気にとられたように驚いていた。


「お、おい?菜都?」


それでも、こみ上げる思いは、堰を切ったかのように溢れて止まらない。


「何で隠すのっ!?あの時のことが原因なんでしょっ!?なのにっ、私を、助けてくれたのにっ、何でっ…、何で久世君が停学になるのっ!?あいつらは、何のお咎めもないのにっ」

「菜都、ちょっと待っ――」

「わ、私っ、先生に言ってくるっ…、あの時のことっ…全部、話してくるっ」

「菜都やめろ!ていうか、頼むから泣くなっ!」


いつの間にか私の目からは、ぶわぶわと涙が溢れており、声もしゃくりあげていた。

そんな私の様子に、冷たい態度はどこへやら、久世玲人は完全に困っている。


「でもっ…でもっ…私の、せいで、停学なんてっ」

ふえぇ、と泣きながらようやく搾り出すと、久世玲人は焦った様子でそれを否定する。


「菜都のせいじゃねーって!だから泣くなっ!」

「でもぉっ…」

「頼むから泣きやめ!な?菜都に泣かれたらマジできつい…」

「き、きつい、って…ふぇ…」


きついって…そんな、思ってても言わないでよぉ…

私だって、泣きたくて泣いてるわけじゃない


ぶわぁ、とさらに涙が出ると、久世玲人は「そういう意味じゃねえって!」とさらに焦り出した。