す、すごく見られている…。

久世玲人と一緒にゴミ捨て場まで向かっているけど、すれ違う人は皆私たちをチラ見してくる。

「あの久世玲人にゴミを持たせてるよ…なんて女だ…」とでも言いたげな視線で。


うぅ…。

違うのに。持たせてるわけじゃないのに。


「あ、あの、久世君…。やっぱり、私がゴミ持つよ」

「ああ?何でだよ。すぐそこだろ」

「そ、そうなんだけどね…」

視線が痛いんです…、なんて言えない…。

しかも、私が持つ!と意地を張るほどのモノでもない。所詮、ただのゴミ。無理やり奪うのもおかしいし…。


もういいや…視線に耐えよう…。


そう諦めて居心地悪くトボトボ歩いていると、ふと、隣を歩く久世玲人が声をかけてきた。


「菜都、機嫌悪いのか?」

「え?」

もしかして、視線に困ってたのが機嫌悪そうに見えた…?


思いもしなかった言葉に、思わず久世玲人を見上げた。


「やっと見た」

「え?な、何が?」

「さっきから、まともに俺の顔見ねえし。やっぱり、泰造に何か言われたのか?」

「ち、違っ…!!」

その通りだけどっ!!

私のことだからすぐテンパッてしまうので、意識して顔をあまり見ないようにしていた。

またも先ほどの泰造の言葉が思い出され、久世玲人を見つめながらカーッとみるみる顔が赤くなってしまう。


「うっ…」

顔の熱が治まらないっ!!