「ごめん春奈っ!!」

慌てて春奈と別れ、屋上へと方向転換しながら急いで久世玲人の携帯に電話をした。




――――プルル…


『菜都っ!?』

「ご、ごめん久世君っ!!」

私からの連絡を待っていたかのように、1コールもしないうちに出た久世玲人に、開口一番すぐさま謝った。


『菜都どこにいるっ!?』

「ほんとにっ…ごめんっ!!今…っ屋上に向かってるから…っ!!」

校則なんて無視して急いで走っているため、ゼェゼェと息が切れてしまう。


『今1人かっ!?』

「うんっ…!!ごめん、すぐ行くっ…!!」


乱れた呼吸のまま「ごめんっ…!!」と一方的にひたすら謝っていると、『……すぐに来い』と静かな声で返された。



うわっ…!!

お、怒ってらっしゃるっ…!!


今回は、…いや、今回も私が悪いのでもう顔向けできない気分だ。これまで、何度久世玲人の着信を無視しただろうか…。


佐山君に告白されていたとはいえ、少し遅れると予め連絡を入れておけばこんなことにはならなかったはず…。



心の中でひどく反省しながら、さすがに今回は叱られる覚悟で屋上に向かった。