…………佐山君、だ。

見慣れた人の姿をぼーっとする頭で認識していると、久世玲人もキスを止め、顔を上げていた。

おそらく、佐山君の方に視線を向けていると思われる。


「な、なにしてっ…!!」


佐山君が真っ赤な顔でパクパクと驚愕しながらこちらを見ている。



………佐山君が、いる。



ぼーっとしたまま佐山君を見つめていると、久世玲人はまたもやギュウッと力を込めてきた。


………痛い。


「久世っ!!何してんだよっ…!!」


佐山君が私たちを見ながら、久世玲人に声を上げた。