耳元から首筋にかけて、何度も何度も久世玲人の唇が触れる。

何をされているのか相変わらず理解力ゼロだけど、触れた場所が熱を帯びているのは感じていた。


「菜都…」

耳元で優しく囁かれ、首筋にチクリと鋭い痛みが走った。

思わずピクリと体が反応すると、後ろから抱き締められている腕の力がグッと強まる。


私は、何をされているんだろうか…。


止まることない久世玲人のキスを無抵抗に受け入れていると、突然、ガラガラとゆっくり保健室の扉が開いた。



「失礼しま……」


誰かが入ってきた。


しかし、私たちを見つけるやいなや、ピタッと踏みとどまったようだ。


無意識にドアの方にゆっくりと目をやると、そこには佐山君が立っていて、目を見開いてこちらを見ている。


そのまま数秒間、お互い目が合っていた。