ものの数分で着替え終わった私は、これからどうしようかと悩んでいた。

久世玲人の様子を見に行った方がいいかな…。万が一、彼らに追い込まれていたら…。

そんな光景を想像してしまい、不安に駆られる。


でも、すぐ迎えに来るって言ってたから、ここで大人しく待ってた方がいいのか…。

……でも、久世玲人の様子が気になるし…。


……うん、やっぱりあの場所に戻ろうっ!そもそも私のせいでああなったんだし、ほっとけない!!


そう決心したちょうどその時、保健室のドアがガラガラっ!と勢いよく開き、「菜都っ!?」と焦ったように私を呼ぶ久世玲人が保健室に入ってきた。


「久世君っ!!」

もう終わったのっ!?

たった今向かおうとしていたのに、やはり心配無用だったようだ。言葉通り、本当にすぐ迎えに来てくれた。


「久世君大丈夫だった!?」

ケガはないかと駆け寄って心配するが、久世玲人は無言のまま、近づいてきた私の手を掴み、グッと引き寄せてきた。



……え!?


そして、私は抵抗する間もなく、そのまま久世玲人の腕の中に閉じ込められ、ギュッと抱き締められた。


力強く、頭までしっかりと抱き込められ、私の思考はストップする。



え?


え?


……えぇ!?何っ!?


何も声が出ず、腕の中で固まっていると、ますますギュッ…と腕の力を込められた。