そうだ…。

だとすれば、私が彼女の役目から解放されるのは時間の問題じゃ…。


久世玲人から解放される。


……よかった。これでまた平穏な日々に戻るんだ。


もう少し大喜びするかと思いきや、意外と冷静に受け入れている。


久世玲人と出会ってからは激動な毎日だったけど、それもなくなり、望んでいた学校生活が送れる。


……うん、これでいいんだ。

きっと、久世玲人は今ごろサエコとよろしくやってんだろう。


これでもう、久世玲人のことを考えなくてすむ。


現実逃避からか、頭の中でそんな結末を勝手に描いていたその時、誰も来ないはずの校舎裏にジャリ…と誰かが歩いてくる足音が聞こえてきた。