な、なんだろ…。

凄く恐ろしい視線を感じる…。

そーっと後ろを振り返ると、視線の先には、思いっきり眉間にシワを寄せ、不機嫌極まりない表情をした久世玲人がこちらを睨んでいる。

ひいぃっ!!

それは、思わず恐怖の声があがりそうなほど。



ね、寝ていたはずじゃ…。何でそんなに睨んでくるの…?


「原田さん?」

不思議そうに声をかけてくる佐山君に答えることもできず、1人ビクビクしていると、「玲人ぉ!」と甘えたような、しかし、遠慮のない大きな声が教室中に響いた。


その声に、私も久世玲人も、ついでに佐山君も注意がそれ目を向けると、サエコがちょうど教室に入ってくるところだった。