しかし、そんな願いもむなしく、3人は私を囲みながら会話を進めている。


「何もしねえとは玲人らしくない…」

「いや、逆に手が出せないとか。慎重になってんじゃねえか?」

「……それ、間違いねえ」


勝手に会話はただならぬ方向に爆走し、私はほんとに逃げ出したくてたまらない…。

どうすることもできず泣きそうになりながら突っ立っていると、後ろから救いの声がかかった。


「おい」

その低くハッキリとした声に皆同時に振り向くと、そこには眉を寄せてしかめ顔をしている久世玲人が立っていた。


「…久世君っ!!」

この時ほどあなたの登場が嬉しかったことはない!!

救いの目を向けると、久世玲人は3人を睨みつけるように眼光を鋭くした。