11時に駅前って…。一体何なんだろうか…。

休みの日に待ち合わせして会うって、……デ、デートみたいじゃない…。

いやいやいや、まさか私と久世玲人が。ありえない。絶対ない。



久世玲人と別れて家に帰ってきたけど、寛ぐどころか明日のことで頭がいっぱいだ。


「姉ちゃんおかえりー」

智樹の言葉にも返さずそのまま2階の自室に向かっていくと、智樹が私の後ろを付いて来た。


「なぁ姉ちゃん、玲くん今度いつ来るの?」

「玲くんって…」

あんた、いつの間に名前で呼び合うような仲になってんのよ…。


「残念だけど、もう来ないよ」

「えー!!何でだよー!!」

「だって、ただのクラスメイトだもん」


そうよ。私と久世玲人は表向きは「カレカノ」だけど、実際のところは、ただのクラスメイトでしかない。

うんうんと自分を納得させながら部屋に入る私を、智樹はつまらなそうに見ていた。