「つ、疲れた…」

あれからどれくらい時間が経ったか…。

グッタリと床に倒れる私に、今度は久世玲人が呆れた視線を送ってくる。


「菜都、弱えくせにムキになりすぎだ」

「そうだぞ、姉ちゃん」

「だってぇ…」


何度やっても、久世玲人はもちろん、智樹にさえも勝てなかった…。

納得できず「もう1回!!」と、何度も挑戦したせいで、腕がジーンと痺れている。

私ってバカ…。


心底自分の行動に呆れていると、1階の玄関から「ただいまー」とお母さんの声が聞こえてきた。