こうして見ると、久世玲人が学校で「最凶」と呼ばれているのがウソみたいだ。

弟と同じ、ただの子どもにしか見えない。


不思議だ…。久世玲人がうちでゲームをしてるなんて…。

2人の背中を見ながら、思わずクスッと笑ってしまった。




「菜都、お前もやるか?」

久世玲人がくるっとこちらに振り返り言った。


「いや、私は…」

「ムリムリ。姉ちゃん機械オンチだから絶対できねえよ」

「……うるさいわね」

その通りだけど、智樹に言われるとカッチーンとくる。


「それくらい、私にだってできるわよ」

思わず智樹からコントローラを奪い取った。


「久世君、手加減はなしよ!」

「はいはい」

鼻息を荒くして気合を入れる私に、久世玲人は可笑しそうに笑っていた。