「智樹。こんにちは、でしょ?」

「あ、…こんにちは」

ペコッと智樹が挨拶すると、久世玲人も「どうも」と一言返した。


「姉ちゃん、誰?」

「ああ…。お姉ちゃんのクラスメイト。久世玲人君」


まさか弟にまで「彼氏」だとウソつかなくていいだろう。ましてや、友達と呼べるほどの間柄でもない。


ただのクラスメイトとしてすませてしまった私の紹介に、久世玲人は文句を言いたげにこちらを見ていた。