廊下の方を覗き込んでいたアイツが戻って来て、あたしの前にしゃがみ込んだ。

ペタンと床に座り込んだあたしは声も出ない。


……怖かった。


自分に刃物が向けられるなんて、想像したこともなかった。

あんな、マンガかドラマみたいなことが自分の身に起こるなんて……。


床についた手を強く握り締めた。


少しでも気を緩めたら泣き出しそうだったから。



「怪我、ない?」

そう言って差し出された手を見て、思わず目を見開いた。